8惑星になった

さらに昨日の続き。

国際天文学連合の総会で最終的に採択された「惑星の定義」は、

惑星とは、恒星の周りを公転していて、その硬性に打ち勝って静力学的平衡(ほぼ球形)を帯びるに必要な自身の重力を持つだけの質量があり、かつ自らの軌道の近くに他の天体がない天体。

結果、冥王星が太陽系の惑星から除外されて、太陽系は8つの惑星から成るということになりました。1930年以前の古典惑星に復古したわけですね。ただ、1999年に「惑星からの格下げはしない」という採択をしており、しかもついさっきまで惑星と呼んできた時代があったわけで、それをフォローするためにも、予備的に惑星に準じた天体のクラス(矮惑星)も一応は定義したようです。

昨日のエントリーでは、「太陽系外の惑星系に適用できないような定義で大丈夫かいな」と書きましたが、この定義を読むところ、その心配はあまりなさそうです。

「軌道の近く」が曖昧な気がしますが、どう運用されるのでしょう。冥王星は軌道面はずいぶん違うのに、海王星の軌道の近くと判断されました。しかも「近くに他の天体がない天体」って、衛星の存在、二重惑星の可能性を豪快に無視しているように見えます。

・・・と、多少ツッコミを入れてみたいところはありますが、これが天文学の総意ということです。平成18年版の理科年表は、冥王星が太陽系惑星と記されている最後の版として、記念に残しておくべきかな。