カミ雪だわ

午前10時くらいから雪が降り出した。昨日の天気予報でも降るだろうと言われていたが、まさか降り始めから一時間も経たないうちに積雪になるとはね。ちょっと驚き。明日の帰省に影響がなければいいけど。

ここからはちょっと気象のお話。狭い国土でありながら多様な気候の下で暮らす日本人なら知っておきたいこと。

太平洋側で降る雪ってのは、日本海側で降る雪とは違う。日本海側は大陸の寒気を伴う高気圧が南下することによって起きる、いわゆる西高東低、冬型と呼ばれる気圧配置で降る、典型的な冬の天候で、冬将軍とも呼ばれる。それに対して、太平洋側で降る雪は南岸低気圧によるもので、春先に多い。このような雪を長野では上雪(カミ雪)と呼ぶ。

冬型では、日本海で湿気を含んだ大陸からの風と日本列島を縦貫する山脈によって雪雲が発生して、日本海側や北日本に大雪をもたらし、乾燥した空気が太平洋側へ抜ける。対して、南岸低気圧による雪は太平洋側に(その地域としては)大雪を降らせるが、日本海側や北日本は晴れる。今日の天候はちょうどそんな状態。

ただし、冬型もあまりに強力だと、山脈を越えて太平洋側にも積雪になるほどの雪を降らせる。ひと冬の間にだいたい2,3回ほどある。全国的に雪が降り、北日本と比較されて、首都圏の雪に対する脆弱性*1が毎度のようにクローズアップされるアレ。

冬型の雪は大陸の高気圧が勢力を失うまで降り、長い時には一週間以上もその状態が続くこともあるが、太平洋側に雪を降らせる南岸低気圧は移動性なので、長時間に渡って雪を降らせることはない。また、その低気圧が日本の東に抜けると、日本上空は一時的に西高東低になって日本海側、北日本では雪が降る。天気予報で、明日は日本海側で雪と言われるのはそういう理由による。

さて、本来春先に多い太平洋側の雪がこの時期に積雪になるほど降るというのはいかがなものか。梅や桜の花が年越しを待たずに蕾になったりしているという話を聞くことがあるけど、やっぱりそういうことでしょうか。

*1:数cmの積雪で都市機能が麻痺するようでは、弱いとしか言いようがない。