技術者の法的責任

Winnyとプライバシー保護の本題は別にして、タレコミ本文の

技術者の社会的責任や倫理が法的に問われる未来がくる可能性も十分ある。

の部分なんだが、可能性どころか一部の職域・業務ではすでに法律によって社会責任や倫理が規定されているわさ。

技術士法

技術士等の秘密保持義務)
第45条 技術士又は技術士補は,正当の理由がなく,その業務に関して知り得た秘密を漏らし,又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなった後においても,同様とする。

技術士等の公益確保の責務)
第45条の2 技術士又は技術士補は,その業務を行うにあたっては,公共の安全,環境の保全その他の公益を害することのないように努めなければならない。

技術士の資質向上の責務)
第47条の2 技術士は,常に,その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ,その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。


第59条 第45条の規定に違反した者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
前項の罪は,告訴をがなければ公訴を提起することができない。

技術士に限らず、法律によって独占的な業務や権利が与えられる資格には間違いなく、公益に関する義務・責務が付随します*1。タレコミ子は「法的に問われること」を無用の負担増と足かせのように考えているようにも思えるけど、こういう法律があるからこそ、プロフェッショナルの高度な知識・技能による公益を確保と、技術者に対する信用維持が担保されることを忘れてはいけない。そのへんを考慮せずに、「引き締めはよくない、引き締めたら萎縮する」と叫んでも何も解決しないし、無秩序を放置すると、結局は技術者全体の不利益になりかねない。秩序と信用を維持するためには、時として引き締めも必要なんですよ。


・・・て、社会人になってからより強く思うようになった。

*1:その基本はおそらく日本国憲法第12条、第13条で、これは全ての国民に適用される