大転倒

札幌で開催中の世界ノルディックの、ノルディック複合個人スプリント前半飛躍で、高橋大斗さんが大転倒で左肩骨折。ビンディングが壊れていた事が原因のらしく、映像を見るとテイクオフ直後から完全にスキーのコントロールを失っており、あっというまに体が空中でひっくりかえり、肩からランティングバーンに叩き付けられている。おいらは、先ずこの結果を知ってから映像を見たが、現地で観戦していた観客の人たちはかなり大きな衝撃を受けたことでしょう。

こういう転倒を見ると思い出すのは長野オリンピック男子滑降でのヘルマン・マイヤーの大転倒。コース序盤のエアターンの箇所でスキーが跳ね上げられ、体がひっくり返った状態で30mほど飛んだあと肩から斜面に叩きつけられ、藁人形のよう転がりながら二重のセーフティネットを乗り越えてコースのはるか外までいった。おいらはこれを現地で見ていたので、その衝撃は忘れるができない。しかし、ヘルマンの凄いところは、打撲で済みその後のスーパー大回転、大回転で優勝したこと。これは冬季オリンピックアルペンスキー史上のひとつの伝説となっている。

滑降選手はジャンプ選手を気が狂っていると言い、ジャンプ選手は滑降選手を気が狂っていると言う。そして他所からはどちらも気が狂っていると言われる。滑降とジャンプ(今日のは複合だが)、どちらもウィンタースポーツの華であるが、華であるのはやはりそれなりの理由があるということなのだ。

高橋さんの早い回復と、ふたたび日本のエースとして世界のレースで活躍されることを願ってやまない。